ウイスキー知識貯蔵庫

概要

ウイスキー知識貯蔵庫では、何度も確認したくなる情報を中心に、ウイスキーの基本知識をまとめています。

スコッチウイスキーの定義

・原料に穀物類を使用すること。 ・スコットランド国内の蒸溜所で糖化、発酵、蒸溜を行うこと。 ・スコットランド国内の保税倉庫で3年以上熟成すること。 ・容量700リットル以下のオーク樽で熟成すること。 ・溜出時のアルコール度数が94.8%以下になるよう蒸溜すること。 ・水と無味カラメル着色料を以外の物質が添加されていないこと。 ・アルコール度数40%以上で瓶詰めすること。 ・参照(https://www.legislation.gov.uk/uksi/2009/2890/regulation/3/made)

スコッチウイスキーの種類

・モルトウイスキー:原料にモルト(大麦麦芽)のみを使用し、単式蒸留器で2回蒸溜したもの。 ・グレーンウイスキー:連続式蒸留器で蒸溜したもの。 ・ブレンデッドウイスキー:モルト原酒とグレーン原酒をブレンドしたもの。

アイリッシュウイスキーの定義

・原料に穀物類を使用すること。 ・麦芽に含まれる酵素(ジアスターゼ)またはそれに加えて天然由来の酵素によって糖化すること。 ・酵母の働きによって発酵すること。 ・溜出時のアルコール度数が94.8%以下になるよう蒸溜すること。 ・容量700リットル以下の木製の樽で熟成すること。 ・アイルランドまたは北アイルランドの倉庫で3年以上熟成すること。 ・参照:http://www.irishstatutebook.ie/eli/1980/act/33/enacted/en/print

アイリッシュウイスキーの種類

・ピュアポットスチルウイスキー:原料に大麦麦芽(モルト)と未発芽の大麦やライ麦などを使用し、単式蒸留器で3回蒸溜したもの。シングルポットスチルウイスキーとも呼ぶ。 ・モルトウイスキー:原料にモルト(大麦麦芽)のみを使用し、単式蒸留器で2回または3回蒸溜したもの。 ・グレーンウイスキー:連続式蒸留器で蒸溜したもの。 ・ブレンデッドウイスキー:モルト原酒とグレーン原酒をブレンドしたもの。

ジャパニーズウイスキーの定義

・発芽させた穀類及び水を原料として糖化させて、発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの(当該アルコール含有物の蒸留の際の留出時のアルコール分が95度未満のものに限る) ・発芽させた穀類及び水によって穀類を糖化させて、発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの(当該アルコール含有物の蒸留の際の留出時のアルコール分が95度未満のものに限る) ・上記の酒類にアルコール、スピリッツ、香味料、色素又は水を加えたもの(上記の酒類のアルコール分の総量がアルコール、スピリッツ又は香味料を加えた後の酒類のアルコール分の総量の100分の10以上のものに限る) ・簡潔にまとめると、モルトウイスキーまたはグレーンウイスキーが10%以上入っていれば、残りは他のアルコールや添加物が入っていても「ジャパニーズウイスキー」を名乗れる。生産地や熟成年数に関する規定はない。 ・世界基準ではウイスキーとは到底呼べないような粗悪品が「ジャパニーズウイスキー」として流通することが懸念されている。 ・参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=328AC0000000006

ジャパニーズウイスキーの種類

・モルトウイスキー:原料にモルト(大麦麦芽)のみを使用し、単式蒸留器で2回蒸溜したもの。 ・グレーンウイスキー:連続式蒸留器で蒸溜したもの。 ・ブレンデッドウイスキー:モルト原酒とグレーン原酒をブレンドしたもの。

アメリカンウイスキーの定義

・原料に穀物類を使用すること。 ・溜出時のアルコール度数が190プルーフ(95%)未満になるよう蒸溜すること。 ・オーク樽で熟成すること(コーンウイスキーは不要)。 ・スピリッツをブレンドしてもよい。 ・アルコール度数40%以上で瓶詰めすること。 参照:https://www.law.cornell.edu/cfr/text/27/5.22

アメリカンウイスキーの種類

・バーボンウイスキー:次項目参照。 ・コーンウイスキー:原料の80%以上がトウモロコシで、160プルーフ(アルコール度数80%)以下で蒸溜したもの。熟成は不要。 ・モルトウイスキー:原料の51%以上がモルト(大麦麦芽)で、その他はバーボンウイスキーと同様。 ・ライウイスキー:原料の51%以上がライ麦で、その他はバーボンウイスキーと同様。 ・ライモルトウイスキー:原料の51%以上がライモルト(ライ麦芽)で、その他はバーボンウイスキーと同様。 ・ホイートウイスキー:原料の51%以上がホイート(小麦)で、その他はバーボンウイスキーと同様。

バーボンの定義

・原料の51%以上がトウモロコシであること(残りの原料はライ麦や小麦、大麦麦芽など)。 ・溜出時のアルコール度数が160プルーフ(80%)以下になるよう蒸溜すること。 ・内側を焦がしたオークの新樽に125プルーフ(62.5%)以下で樽詰めし熟成すること。 ・水以外を加えず、アルコール度数40%以上で瓶詰めすること。 ・2年以上熟成させたものをストレートバーボンウイスキーと呼ぶ。 ・テネシー州で製造され、樽熟成の前にテネシー州産サトウカエデの木炭を用いて濾過したものはテネシーウイスキーと呼ぶ。 ・参照:https://www.law.cornell.edu/cfr/text/27/5.22

カナディアンウイスキーの定義

・原料に穀物類を使用すること。 ・麦芽に含まれる酵素(ジアスターゼ)またはその他の酵素によって糖化すること。 ・酵母またはそれに加えてその他微生物の働きによって発酵すること。 ・小さな(700リットル以下の)木製の樽で熟成すること。 ・カナダ国内で糖化・蒸溜・熟成を行うこと。 ・アルコール度数40%以上で瓶詰めすること。 ・カラメルまたはフレーバリング(香味を付与するためのスピリッツなど)の添加は可能。 ・参照:https://laws-lois.justice.gc.ca/eng/regulations/C.R.C.,_c._870/page-29.html#docCont

カナディアンウイスキーの種類

・フレーバリングウイスキー:主に麦類を原料に、連続式蒸溜器でアルコール度数64~75%で蒸溜したもの。 ・ベースウイスキー:主にトウモロコシを原料に、連続式蒸溜器でアルコール度数95%以下で蒸溜したもの。 ・カナディアンブレンデッドウイスキー:上記2つをブレンドしたもの。一般的な比率はフレーバリングが10~30%、ベースが70%~90%。9.09%まではカナダ産以外のもの(バーボンなど)を添加可能。

NASとは

・NASは、Non Age Statementの略で、熟成年数を表記しないウイスキーのことを指す。 ・日本語ではノンエイジと言われることが多い。 ・熟成年数を表記する場合は、ブレンドした原酒の中で最も若い原酒の熟成年数を表記しなければならない。 ・10年表記の銘柄は熟成年数10年未満の原酒は一滴も入っていないが、NAS銘柄には熟成年数10年以上の原酒が入っていることがある。 ・メーカーがそれまでに無かったNAS銘柄をリリースすることがあるが、その背景にはより柔軟なブレンドへの挑戦と原酒不足があると言われている。

WHISKY vs WHISKEY

・ウイスキーには「E」がない「WHISKY」と「E」がある「WHISKEY」の2通りのつづりがある。 ・「WHISKY」表記:スコッチ、カナディアン、ジャパニーズ ・「WHISKEY」表記:アイリッシュ、アメリカン ・アイリッシュウイスキーが「WHISKEY」なのは、アイルランド人が、当時スコッチウイスキーより高品質だと評価されていたアイリッシュウイスキーの優位性を主張してスコッチウイスキーと区別させるためとされている。 ・アメリカンウイスキーが「WHISKEY」なのは、アメリカのウイスキー蒸溜所の創業者の多くがアイルランド系移民だったためとされている。 ・ジャパニーズウイスキーが「WHISKY」なのは、スコットランドに留学して技術を学んだニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝が(スコッチ)ウイスキー製造技術を最初に日本に持ち込んだため。 ・カナディアンウイスキーが「WHISKY」なのは、政治的・宗教的・文化的にスコットランド(=イギリスの中枢)との結びつきが強かったためとされている。具体的には、アメリカがイギリスに対して独立宣言をした際に、独立反対派の移民の多くがカナダに移ったことや、アメリカ独立後もさらに100年近くイギリスの植民地であったことなどが挙げられる。

"year" vs "years"

・熟成年数表記があるウイスキーの英語名をよく見ると、実は単数形の"year"が使われる場合と複数形の"years"が使われる場合があります。 ・日本では常に複数形の"years"が正しいと思われているようで、正規輸入代理店の公式サイトでも誤っている(=オリジナルの英語表記と異なる)ことがあります。 ・規則を一言でいうと、「(日本語でいうと)〇〇年物」のように名詞または名詞修飾形容詞として使われる場合は単数形の"year"、「(日本語でいうと)〇〇年熟成」のように形容詞や副詞などとして使われている場合は複数形の"years"が使われます。 ・英語版の公式サイトなどを見ると、"THE GLENLIVET 12 Year Old"のように、ウイスキーの製品名(=名詞)に単数形の"year"がよく使われています。 ・一方でボトルのラベルには"12 years of age"や"aged 12 years"といった表記がよく使われています。 ・一つの銘柄で一通りの表記が決まっているという訳ではなく、使われる場所や文脈などによって表記は変わります。 ・稀に例外はあります。 ・GEEKY WHISKYでも、英語名は英語版の公式情報に準拠しています。

正規品と並行輸入品

・「正規品」は、日本のメーカーが、海外の蒸溜所やメーカーと正規代理店の契約をして輸入した商品。 「正規品」の特徴:日本市場向けに味やアルコール度数が調整されていたり、パッケージデザインが変更されている場合がある。輸入する際に温度や湿度管理が徹底されている場合が多い。正規代理店の販売手数料が上乗せされるため、並行輸入品より価格が高いことが多い。 ・「並行輸入品」は、小売店や輸入業者などが直接蒸溜所や現地販売店から買い付け、輸入した商品。 「並行輸入品」の特徴:正規品とアルコール度数やパッケージデザインが異なる場合がある。正規品より価格が安いことがある。価格が為替レート変動の影響を受けやすい。正規品にはある化粧箱などが無い場合がある。温度や湿度管理が正規品ほどきちんとしていない場合がある。

味覚と嗅覚

・味覚と嗅覚は不可分の関係にあると言われ、テイスティングノートでよくある「味・舌・Taste・Palate」は、厳密には「味覚+喉経由の嗅覚」と言えます。 ・味覚の権威と言われるジャック・ピュイぜ氏や、竹鶴政孝氏も著書で以下のように述べています。 ・"味覚とは「95%が嗅覚で、5%が味。おもな情報の大半は鼻腔から脳に入る」そうです。" (ジャック・ピュイゼ. 子どもの味覚を育てる 親子で学ぶ「ピュイゼ理論」 (Japanese Edition) (Kindle Locations 187-188). Kindle Edition. より引用) ・"つまり、ウイスキーはどこまでも鼻で鑑別するものである。" (竹鶴政孝. ウイスキーと私 (Japanese Edition) (Kindle Location 1556). Kindle Edition. より引用)

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